CT27 ボイコット（BOYCOTT） パンツ（裾ボタンハーフパンツ）

これは長くかく必要もないから、ちょっと述べておく。 奥歯で囓み潰した癇癪玉が炎となって鼻の穴から抜けるので、小鼻が、いちじるしく怒って見える。 聞くところによればユーゴーは快走船の上へ寝転んで文章の趣向を考えたそうだから、船へ乗って青空を見つめていれば必ず逆上受合である。 分りにくいと主人の逆上は空名に帰して、世間からはよもやそれほどでもなかろうと見くびられるかも知れない。 誰でも構わんから呼んで来いと云うのに、わからんか。 吾輩は突然この異な爺さんに逢ってちょっと驚ろいたからこっちの記述はそのままにして、しばらく爺さんを専門に観察する事にした。 心さえ自由にする修業をしたら、落雲館の生徒がいくら騒いでも平気なものではないか、今戸焼の狸でも構わんでおられそうなものだ。 　逆上の説明はこのくらいで充分だろうと思うから、これよりいよいよ事件に取りかかる。 驚ろいたのは主人ばかりではない、吾輩までも彼等君子の才芸に嘆服して覚えず耳を傾けたくらいである。 これは長くかく必要もないから、ちょっと述べておく。 一体この湯は何に利くんでしょうと手拭を畳んで凸凹頭をかくした男が一同に聞いて見る。 金に頭はさげん、実業家なんぞ――とか何とか、いろいろ小生意気な事を云うから、そんなら実業家の腕前を見せてやろう、と思ってね。 こう順々に書いてくると、書く事が多過ぎて到底吾輩の手際にはその一斑さえ形容する事が出来ん。 新式のうちにはなかなか興味の深いのがある。