DA46 ラブソングはとまらないよ

第一そう待っていては足がつづかない。 であるから近頃に至って漸々運動の功能を吹聴したり、海水浴の利益を喋々して大発明のように考えるのである。 吾輩は主人の大事件を写したので、そんな人の大事件を記したのではない。 詩人に逆上が必要なる事は汽船に石炭が欠くべからざるような者で、この供給が一日でも途切れると彼れ等は手を拱いて飯を食うよりほかに何等の能もない凡人になってしまう。 左が胃で、右が肺だよそうかな、おらあまた胃はここいらかと思ったと今度は腰の辺を叩いて見せると、金さんはそりゃ疝気だあねと云った。 よく聞くと腐って見えるのも不思議はない、一週間に一度しか水を易えないのだそうだ。 君は始終泰然として気楽なようだが、羨ましいな そこで昔から今日まで逆上術もまた逆上とりのけ術と同じく大に学者の頭脳を悩ました。 　主人は分ったとも、分らないとも言わずに聞いていた。 まず今日のところでは人為的逆上は不可能の事となっている。 まるで化物に邂逅したようだ。 恐れ入らねえかと云う。 大変だと云うならよしてやるから、その代りもう少し夫を大事にして、そうして晩に、もっと御馳走を食わせろ 　ある日の午後、吾輩は例のごとく椽側へ出て午睡をして虎になった夢を見ていた。