KK41 いびつな絆 関東連合の真実

彼はカイゼルに似た八字髯を蓄うるにもかかわらず狂人と常人の差別さえなし得ぬくらいの凡倉である。 向後もし主人が気狂について考える事があるとすれば、もう一返出直して頭から考え始めなければならぬ。 時候おくれの廻り持ちなんか気が利かないよ 小供が泣くときに最中の一つもあてがえばすぐ笑うと一般である。 まだお起きにならないのですかと声をかけたまま、しばらく立って、首の出ない夜具を見つめていた。 現在連れ添う細君ですら、あまり珍重しておらんようだから、その他は推して知るべしと云っても大した間違はなかろう。 本人は退校になるでしょうかって、それを一番心配しているのさ えらい事になって来たぜ。 楠正成時代から用いたようで…… 今に三人が海老茶式部か鼠式部かになって、三人とも申し合せたように情夫をこしらえて出奔しても、やはり自分の飯を食って、自分の汁を飲んで澄まして見ているだろう。 愛嬌になる代りには馬鹿をもって甘じなくてはならん。 現に吾輩は今朝風呂場でこの鏡を見たのだ。 聞くのはもっともだ。 心をどこに置こうぞ……あれも少々怪しいようだ。